氷点 三浦綾子

 

 

 

 ただ犯人の娘なだけで、陽子自身は何の罪も犯してないけれど、陽子は真実を知り自殺未遂をしてしまった。そんな陽子がお利口さんすぎる気がしたけど、実際はお利口さんとはまた違く、難しいなと思った。

 

 

 啓造も夏枝も徹も高木も、嫉妬や憎しみに目がくらんで独りよがりな考えしかしていない。けれど、何となく彼らを憎めきれない自分がいる。それは、彼らの嫉妬や憎しみ、後先を深く考えず自分の思うがままに行動してしまう大胆さなどを、何となく理解できてしまうからだと思う。

 

 

 夏枝はひどい継母かもしれない。けれど、彼女の不貞を過剰に受け止め、勝手に復讐し、勝手に(陽子が女性として美人になってから)陽子を許し、教会に通いだす啓造の方が夏枝よりはるかに自分勝手で無責任で、酷いと思う。

 

 そんな啓造の存在も、陽子の味方をする徹も、何も知らずに陽子を褒める人々も、全て憎くて自分だけ惨めな気持ちになって、その気持ちをぶつける所が陽子になってしまうのも無理はない。夏枝は本来、美しく、優しく、家事を1人で懸命にこなす、立派な女性なのであって、だからこそあの辰子が事件後も友人であり続けている。夏枝を鬼にしたのは紛れもなく啓造。

 

 

 夏枝は家にしか自分のコミュニティがないのが問題だったと思う。自分の美しさを誇示したいなら、外にコミュニティを作るべきだった。この時代の既婚女性は家にいるのが当たり前だったのかもしれないけれど、彼女の世界が家で完結してしまっているのはあまりに勿体なく、人生に不満を感じてしまうのも無理はない。そして、夏枝も啓造も、言葉が足りなすぎた。正直に真正面からぶつかる事ができれば、こんな複雑な事態にならなくて済んだはずだ。しかし、それが出来ないのが人間の難しさなんだとも思う。

 

 

 唯一、陽子が自殺未遂をして、見舞いに来た辰子が遺書を読んで静かに泣いたシーンで私も泣いた。自殺のシーンでもなく、遺書のシーンでもなく、このシーンで涙を流した理由は、私の中の辰子への信頼が大きかったからだと思う。あまり深くは干渉しないが、程よい距離感で辻口家を見守っている。どこか達観していて、どんな状況でも気丈に振る舞う。そんな辰子が静かに涙を流す事で、余計に陽子がかわいそうな気持ちになった。

 

 

 

パブの名前の由来

 

 

1.レッド・ライオン

イングランドエドワード3世の3男ジョン・オブ・ゴーントの紋章。

14世紀後半のレッドライオンは権威への忠誠をさりげなく示す事を意味していたが、最近のはパブの名前としていい感じだから。1番多い。

 

 

2.ローズ・オブ・ヨーク

=ヨーク家の紋章

ヨーク家の紋章は白い薔薇で、ランカスター家は赤。この両者の戦いが薔薇戦争

白と赤ぎ混ざった紋章はチューダー朝のもの。ランカスター家がヨーク家を破ったが、ヨーク家の人と結婚した為。

 


3.ホワイト・ハート(よくある)

=白い鹿

リチャード2世の紋章。

 

4.ホワイト・ホース 

=白い馬

ハノーバー朝の紋章。

 


5.エレファント・アンド・キャッスル

よくある。

由来1

由緒ある馬車宿があった地名。

元々スペイン語のパブの元々の名前インファン デ カスティーリャ(カスティーリャの王女)がエレファントアンドキャッスルに聞こえたという説。

由来2(有力?)

パブの名前として多くはそこに集っていた客の職業からつけられていた。

ex) ブリックレイヤーズ アームズ(煉瓦職人の家)

象と城は刃物師の古いギルド(組合)の紋章。刃物師は高級な剣や刃物の柄に象牙を使っていたことから。城の意味は不明。

 


6.ピッグ・アンド・ホイッスル

豚と口笛

古いアングロサクソン語に由来する?

木製の杯を意味するpigginと、「あなたの健康に」という乾杯の文句であるwassailが組み合わさった。

 


7.ザ・ジョージ・アンド・ドラゴン

セントジョージが悪い竜を退治したという言い伝えから。人気の聖人。

 

 


8.その土地で盛んな娯楽や商売に由来する名前など色々。

ヘア・アンド・ハウンズ

=野ウサギと猟犬

ウィグ・アンド・ペン

=かつらと羽ペン 

 (近くに裁判所)

 

 

9.ザ ・ケース・イズ・オルタード

  (The Case Is Altered)

=「状況が変わりました」

何百年も前に裁判所で劇的な展開があった時に法律家が口にした決まり文句。

劇作家ベンジョンソンの作品のタイトル。

 

 


10.ナイツ・テンプラー

テンプル騎士団

オールドバンクオブイングランドの近くの元銀行のパブ。オールドバンクオブイングランドが既にあった為名前がかぶらないようにこの名前に。テンプル騎士団が金融の原理に繋がるものを沢山生み出してきた為。

 

 

 

 

現代の抗議運動について

 

「戦後ドイツの抗議運動〜成熟した社会への模索〜」を読んで。

 

 

メモ✍🏻

 

・ドイツではデモが慣例行事化しているのに対し、日本では秩序を乱すもの、特別なものと捉えてられている。メディアでも。

 

・抗議による政治参加が根付いていない

 

・60年代の学生闘争によりデモにマイナスのイメージ

 

・教育の場では政治的中立のもと政治と教育の関わりは避けられ続けていた為非政治的風土が形成されてしまった。

 

 

◆現在のSNSを用いた抗議活動では成果を得ることが難しくなっている。

    ★要因

        ・容易に参加者を集められる

        ・短期間で行われる

        ・SNSを通して参加できる

    これによって… 

        ・確固たるリーダーの不在

        ・組織力の不足

        ・計画性のなさ      

            →運動を継続して行うことが不可能に。

 

  ・支持する者が不在だと集団は機能を発揮できないまま解散してしまう。

  ・SNSで意思表明(ツイート、リツイート)という形で気軽に簡単に抗議活動に参加できる。

                          =簡単に辞退する事もできる。

 

スラックティビズム 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%93%E3%82%BA%E3%83%A0

 

 

◆筆者の意見

   ・コンスタントに活動を続ける事

   ・直接議論を深める事

   ・地道な作業を辿った草の根運動

       ↑が社会に変化を与え成果に結びつく。

 

 

 

感想✍🏻

 

   筆者の推奨する草の根運動は実績や信頼、確固たる基盤を作る上では必要だとは思うけど、正直今の時代に合っていないような気がする。SNSを活用した方が話題性にもなって問題意識が広がるし、進展が良くも悪くも早い気がする。これからはSNSによる活動の欠点をどう克服していくかが課題だと思う。

 

    最近は人種差別に対するデモが各国で起きていて、インスタに黒い写真を投稿して意思表明する事がトレンドになっているけど、イギリス在住の方がSNSでの娘さんの様子を見て「運動に参加しなくてはいけないプレッシャーや、それにより分断が起きていたり若い世代ではさらに複雑になっていると感じた」とツイートしていて、SNSによる抗議活動は気軽に参加は出来るけど、SNSで意思表明するしないの時点で個人の人となり?が問われてしまっているように感じた。意思を表明する事は大切だと思うけど、同調圧力というか、同じ考えを同じ手段で同じように表明しなければならなくなっているのはやっぱりプレッシャーになってると思う。けど、知識がなくても気軽に表明できるのがSNSで、SNSを開く度に黒い写真が頻繁に目に入ってくれば、それが多くの人がその問題について関心を持つきっかけになると思うから、方法としては悪くないとも思う。根本的な解決にならないというか、具体性に欠けてるのが気になってしまうけど……。SNSでの意思表明の次の段階が、知識を得て深く考えることなんだと思う。

 

   ただ、最近のデモはやっぱりどの国も成果を得れていない気がする。LGBTや環境問題に関してはまだマシかもしれないけど、日本はもちろん、香港なんて雨傘運動からずっとデモをしているのに中国という大きな権力を前に無力というか、全然報われていない…。デモの長期化は生活への支障を招いて内部分裂に繋がるし、どんなにアクションを起こし続けても変化が無ければ疲弊してしまう。それに暴動に発展するケースもある。言葉で通用しなかった次の手段として暴動があると思うけど、けが人や死者、どさくさに紛れての犯罪まで出てきてしまったら、やっぱり内部分裂とデモ自体への嫌悪に繋がってしまう。

 

    結局抗議活動の仕方は手段は多様化していても昔から変わっていないんだなってつくづく感じる。何だかんだそれしか方法がないのかもしれない。けど、抗議活動を継続しても状況が変わらない時、人は暴動以外に何ができるんだろう……。

 

 

            

映画 『僕たちは希望という名の列車に乗った』

 

2020/01/12 吉祥寺アップリンクにて鑑賞。

 

 何か若者が革命を成し遂げる映画かと思って観てみたけど、実際はクラスという小さなコミュニティが行った細やかな抵抗が国を絡む大きな事態になってしまい、さあどうする!といったストーリーでした。政治兼青春映画。

 

 舞台は壁ができる前の旧東ドイツ(母が生まれる少し前)。前知識として社会主義東ドイツでは多くの人が鉱山などで重労働をしていて、選ばれた人が良い職につけるという仕組みがあるらしい。あと、当たり前だけどナチスは敵。

 この映画に出てくる学生達は卒業を間近に控えた優秀な生徒なんだけど、若さゆえに色々しでかしてしまっていた。

 まず、ベルギー動乱の追悼をしよう!と市長の息子、クルトが提案して、それに賛同する人はしない人を逃げていると賛成派が非難。一応多数決で追悼することになるが、先生がそれを国に報告した為、テオがサッカー選手への追悼ということにしよう!と提案するが、腑に落ちないクルト。一緒に正義感に駆られているテオの彼女、レナがクルトと浮気し、さらにテオに「逃げる人は嫌い」とか言いだし、レナを手に入れさらに正義感に酔うクルト…。

 結局みんなクルトをかばって家族と離れ、希望を持って列車に乗って西ドイツに行ってしまうんだけど、それから壁ができて崩壊するまで35年もかかってしまうから、あまり良くない抵抗だったな、と思ってしまった。特にテオのお父さんは鉱山で苦労して働いて、テオに良い職についてもらう為に鉱山に連れていって、テオも重労働の過酷さと親の偉大さを知って家族の為に卒業するぞ!って思ってたはずなのに、結局友達を守って西に逃げることに。35年も会えなくなるとは夢にも思わずに…。結局何の成果も効果もない、親の努力を踏みにじり、無駄な抵抗でしかなかったじゃん…というのが率直な感想。

 けど抵抗をしてしまったのも仕方がない面もあって、西ドイツで観たアメリカの旅立ちと抵抗をテーマにした映画と学生が起こしたベルギー動乱に感化されてしまったこと、ナチス時代のことを話したがらない親の元で育ったゆえの楽観主義、あと何だかんだで高圧的な東ドイツの政治(ナチスのやり方のように弾圧)に違和感を感じていたことが今回の抵抗の要因で、それに国が動くってことは、それだけ東ドイツの国家権力が自信のないものだったということだったから。

 親世代と子ども達の確執も興味深かった。戦争を経験している親達からしたら子ども達の抵抗なんて甘いものなんだけど、自分たちのことを話してこなかったから子ども達はそんな複雑な事情を知らず。後になってクルトのお父さんが英雄だと思っていたエリックのお父さんを反逆者として殺していたことが判明してしまって、あのエリックの悲痛の叫びは本当に切なかった。

 いずれにしろ冷戦中の東ドイツの人の暮らしやソ連や西ドイツとの関係などが知れて勉強になった。あとサークルクラッシャーガールが何なんだって感じだった。

メモ 『子どもたちの階級闘争』

 

白人のムスリム女性「フェミニズムは白人のミドルクラスの女性にハイジャックされている」「フェミニストの問題を論じるにはジェンダーだけではなく人種と階級の問題が切り離せない」「聞こえない声というのは存在しない。わざと聞いてないか聞きたくないということ。フェミニストたちはオルタナティブな声(西洋以外の国)を自分達のムーブメントに加えることに抵抗する」「フェミニズムが白人女性にハイジャックされているというのは全ての分野で白人女性のナラティブが支配していて、オルタナティブな声は西洋が優れているという彼らにとって不変の真実を肯定するためのちょっと古風な意見として利用されているのでは。ムスリムフェミニストとして宗教の中に男女同権の苦闘があるのを知っているが、不平等は宗教だけに起因させて済む問題ではない。貧困と家父長制度も大きな要因だ。私が共感するフェミニズム帝国主義や搾取(貧困)や戦争や家父長制度に抵抗する女性たちのフェミニズムだ。」byニュー・ステーツマン2012.2.13

 

イギリスは階級社会。階層は英語のアクセントでバレてしまう。私立校に通えばBBCのアナウンサーのような明瞭な英語を話す。よって階級による差別が存在する。中でもチャヴは下層に位置し、イギリス社会の荒廃を象徴する言葉と結びつけられてきた層である。この本の保育士の同僚はチャヴであることがミドルクラスの親達に知られ、無視されるようになる。しかし一方でこの親達は外国人には優しかった。外国人を差別するのはPCに反するがチャヴは自国民だから良いという認識。これをソーシャルレイシズムという。そしてこのチャヴの保育士は身に覚えのない容疑を親達にかけられ、証明することもできず自宅待機となってしまう。

また、イギリスでは週15時間までの保育料を無料にしているが、2歳児を受け入れる保育園が全国的に不足している。理由はミドルクラスと貧しい子ども達を一緒に見ることを恐れる保育園側が下層幼児の受け入れを拒否している為である。元々保育費は15万かかる為ミドルクラスが利用する事が一般的だったが無料化により下層階級が入ってくるとミドルクラスからのクレームが増えてしまい、下手すれば潰れてしまうかもしれない。よって幼少期から階級分離が行われる。そこで入れなかった子どもたちも以前は無料で預けていたが、保守党になってから下層クラスの人々に対する投資的費用が削れ無料の保育園の運営が難しくなってしまう。

イギリスではソーシャルアパルトヘイトという言葉がある。最近使われ始めた。2013くらい。イギリスでは格差が固定化しソーシャルアパルトヘイトの中で育つ世界に突入している。これによって貧困エリアに住む子供は家庭で不慮の事故に遭遇し怪我をする確率が高い、それ以外の地域の子供に比べ新鮮な空気を吸って緑のある空間で遊ぶ機会が9分の1になっている、肥満の割合は豊かな地域の男は3倍、女は2倍になっている。家庭内暴力により他人とコミュがとれない子もいた。

この格差によって子供たちの生活があまりにも二極化し、分離され、まったく触れ合うこともなく暮らす状況にんっている。

裕福な子はパブリックスクールへ。子供が多いなどで通わせられなければ評判の良い公立学校へかよわせるが、その条件は半径何メートルに家がある事とされる為、評判の良い学校の周りは家賃相場が高くなる。これによって居住地域の分離が進む。お互いにとってパラレルワールドの存在となってしまう。

Ukipという政党は反移民、欧州離脱を唱える右翼政党。少しずつ勢力を伸ばしている。今は知らないけど。移民が労働者階級の仕事を奪い、賃金を押し下げ、国家医療制度や福祉を濫用し、学校や住宅不足を招き、国家を破綻に陥れていると主張している。彼らがいなくなればイギリスに幸福が訪れるとほざいている。EU移民と結婚することによって法的にイギリスに滞在する外人を目の敵にしている。イギリスが緊縮政策として削った社会への投資は最も底辺家庭に打撃を与え、外国人は暮らし辛くなっている。託児所は平日、週三日の午前中しか開けず職員も不足、給料のカット、教育に必要なものも買えない状態になってしまった。元々知的格差をなくす為に底辺託児所でもハイレベルな教育がされていたが、それも受けれなくなってしまった。また、宗教的な価値観の違いでイギリスの教育や社会に従えない人もいる。手を挙げる事が虐待であるが、それを悪い事とおたがわず、むしろイギリスは子供をほったらかしているから後退しているとまで確信している。しかし子どもを社会で育てるものとされるイギリスでは取り上げられることもありえる。宗教の壁は高い。

イギリスにはパーティー文化があり子ども達もこぞって誕生日パーティーを開くが、不況によってクラス全員を招く頃が難しくなった現在、誰を招くか、招かないかが問題になってくる。そしてそれを決めるのは親達となる。厳格なカトリックの人は白人だけだったりと様々であるが、階級を上がったベトナム人が黒人を招かなかったことがある。階級を上って上層の人々の悪癖を模倣し、有色人を排除する有色人が生れてしまった。

イギリスの託児所に外人が増えた事によって下層クラスのイギリス人は減少し託児所でマイノリティーな存在になってしまった。よって稀にくるアンダークラスのイギリス人を外国の移民の親が憎悪や偏見の目で見てしまう事がある。また、移民は向上心が高く真面目な人が多い為アンダークラスの柄の悪い連中をあまり好まない。イギリス人からの偏見だけではなく、また逆もしかりなのである。

イギリスでは労働党が発育格差を無くす為に力を入れており、特にエモーショナルインテリジェンスに力を入れている。しかしこの教育に移民の子供達よりアンダークラスの苦労しているませた子ども達は懐疑的スタンスを示すことがある。過去より未来が明るくなると信じられる人々の方が幸福度が高いが、このような形でも表れてしまう。

イギリスの託児所では様々な国の子供がいる為国際的になりすぎてしまいも揉め事も大変、小競り合いの性質も多用化してきた。しかし、幼少期にこれを経験することは大切な事でもある。イギリスでは労働党時代に外国人の保育士を増やし、ダイバーシティ教育の推進を図った。これによって子供達は幼少期から外国人に慣れることができる。偏見。その経験こそが社会を前身させる。外国人と交流し、衝突しながらもお互いに理解し、認めあうという経験が大切。

イギリスには幼児教育の憲法でありバイブルがあり、それによると小学校を入学するまでに自分の意見をしっかり述べ説得する努力をする姿勢を身に付けなければならない。よって託児所でディベートごっこをする。この際ペルソナドールを利用しており、色んな人種の形をした人形である。これによって多様化した社会の実現やマナー、思いやりの問題を考えさせている。一方で子供達は自分の容姿に近い人形を好む為取り合いなどの問題もおこり取扱いが危険とされており訓練を受けた人材しか使えない。シェア分配の概念を徹底して教える。

下層階級ほど軍隊に入る。よって下層階級は軍隊を熱烈に支持する人が多い。よってワーキングクラスを支持基盤とした右翼が支持を伸ばすのにはこのような背景がある。もう貧困層の若者は第二のビートルズチャップリンなど目指してなく、普通に働いてお金を稼ぐことを出世と考えている。

英国は元々労働階級が誇りを持って生きていた国だった。60年代に労働階級も将来の選択できるようになり、上流階級からはクールな存在として憧れの目を向けられていた。しかし今の労働階級はチャヴと呼ばれクールどころか社会悪、イギリスの恥とされ、流行のカルチャーは戦前のようにミドルクラスから発信されている。現代のイギリスは階級が固定化されすぎている。保守政権になってから下層階級の人達のチャンスを得る可能性が途絶えてしまい、期待できない閉そく感と絶望感をもたらしてしまった。

右とか左とかいうイデオロギーは結局庶民を貧しくさせるものにしかならない。庶民がまともに食べれるようになってから観念を述べなければ。その順番を間違えたからブレグジットが起きた。

EU離脱国民投票後、EUは貧しい北部と裕福な南部に分裂された二つの国のようになってしまったが、これは政府が何年も前から貧困者を北部に送り込んでいた為である。そして下層階級を生活保護を搾取していると勘違いし迫害の対象となっている為、シングルマザーであろうとも容赦なく職安は生活保護を止めまくっている。福祉が制裁を連発する為日々の食事ができなくなる人が増えている。その為イギリスではフードバンクが増えており貧困地域の託児所もフードバンクに変わる。最下層の子供達に未来を与えるための託児所が今を生きさせる為の食糧庫に変わってしまった。

2010年に政権を握った保守党が緊縮財政政策に舵を取り、福祉、教育、医療の財政支出を急速に削減し、その影響がリアルに庶民に出始めたのが2011年。

普通の概念を疑えがモットーの託児所。普通の基準は人それぞれ。

2009年にイギリスではワーキングクラスの下層階級のことがマスコミでよく取り上げられる。生活保護を受給しているのにこんな事件をおこしている、というニュースが相次いているためである。イギリスは困窮している人には家を与え、仕事が見つからない人には半永久的に生活保護をあたえ、子供ができたら補助金をあげるなどの社会福祉を彼らに与えているが、一方で死ぬまで働けずに生かされる一族を作ってしまった。生活の不安はないがその代わりに希望もないので家の中で暴れはじめDVへへっ店するケースもある。

 

イギリス社会について

 

Brexit

15日、英議会でEUと合意したEU離脱案が否決。EU離脱の期限は3月末。イギリスとEUとの間で条件を定めずに離脱する「合意なき離脱」となるかもしれない。

 

★なぜEU離脱しようとしているのか。

 EUの基本理念である移動の自由によってヒト、モノ、カネ、サービスが自由に行き交うようになった。これは域内の戦争をなくそうというのが原点でえあったが、イギリスは島国であり大陸側の欧州諸国との統合に対する反対意見は大きかった。それでもEUの一員として東欧などから移民を受け入れてきたが、金融危機や経済の低迷などで雇用状態が悪化すると『移民に仕事が奪われる』『テロリストの流入につながる』などと移民への不満が強まった。また、EUの官僚的な体質や細かな規則、イギリスが負担する出額の大きさなどを問題視する声もあり、国民投票を実施した結果離脱(52%)が決定した。

 

★合意なき離脱とは

 本来EUには19年3月末に離脱しなければならないが、企業や行政機関などの活動に支障が出ないよう、20年末を移行期間と定め、それまでは現状の規則や法制が適用され続けることで合意したが、この移行期間が適用されるには離脱条件に合意し、英国議会と欧州議会で承認されなければならない。これが否決されたということは移行期間がなくなり、様々な法制や規制が整備されないまま離脱することになってしまう。

 それまで自由に行き来していたものに関税の負担や通関業務が発生することになる。そしてこれによって双方に不利益が発生することになり、大きな混乱が予想される。

 

★ではなぜ否決したのか。

 最大の問題は北アイルランド問題である。北アイルランドは北部や英国領の北アイルランド、南部がアイルランドという独立国でEUに加盟している。イギリスがEUから離脱されれば、北アイルランドEUから離脱することになる。北アイルランドを巡っては独立に反対しる勢力と酸性する勢力が紛争を繰り返している。北アイルランドアイルランドとの間に通関などの物理的な国境が生じれば再び情勢が不安定になることが予想される。よってメイ政権は20年末の移行期間までに解決策が見つからなければイギリス本土を実質的にEUに部分残留させる措置を盛り込んだ。そうすればアイルランドでの国境管理の必要性がなくなるからだ。しかし、EUに批判的な勢力から永遠にEU支配下に残るとの批判を受け否決されてしまった。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

メモ🗒✍️

 

多様性格差……人種の多様性があるのは優秀でリッチな学校。カトリック校など。労働者階級(チャヴ)が通う学校はレイシズムがひどくて荒れていると噂が流れている為。

 

他人に自分の感情を伝えられない子供は、(表情、口頭などで)他人の感情を読み取ることもできない。ストップのサインがわからない。コミュニケーション不足の為。よって学校などで演劇や演劇的要素を取り入れたゲームなどが盛んに行われている。

 

フリーミール制度……学食費。無料で貰えるが使用限度がある。成長期の子どもには少し足らず、窃盗を起こしたりしている。

 

自分たちが正しいと集団で思い込むと、人間はクレイジーになる。…息子の同級生が万引きした友人を集団で攻撃した際の、作者の一言。『あなたたちの中で罪を犯したことのない者だけが、この女に石を投げなさい』(新約聖書 ヨハネ福音書)

 

多様性があるとややこしくなり、攻撃や衝突が絶えないが、楽をしていると無知になる。

 

法律は世の中をうまく回していくためのものだから、必ずしも正しいわけじゃない。

 

差別がいけない以前に、人を傷つけることはどんなことでも良くない。

 

エンパシーとは、自分で誰かの靴を履いてみること。他人の立場に立つ。共感、感情移入。世界中で起こるいろんな混乱を乗り越えるには、エンパシー、想像力が必要。エンパシーは能力で、相手の立場を想像することによって誰かの感情や経験を分かち合う能力。シンパシーは感情。

 

It takes a village.

子育てには一つの村が必要。子どもは村全体で育てるもの。

 

 

イギリスで根強い地べたの相互扶助の精神。キリスト教

 

イギリスでは古い価値観だとオールドファッションな考えのアンクール、ダサいやつとみなされて嫌われる。既にオールドファッションは少数派。

 

 

当事者より第三者がダニエルをいじめている。当事者はむしろ友人として残っている。息子くん「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ」

 

 

反逆と報復の反復の果てに何があるのか。

 

マージナライズド…周縁化されている

マージン(端っこ)に追いやられらてる。

イケてる学校は信頼もあり余裕もあるため学校を休んでデモに参加できるが、そうでない労働者階級の学校はできない。信頼もなく休むお金もない。