イギリスという場所
疲れた時とか、ふとした時にイギリスに行きたいなって思う。
留学してた時はどんよりした天気が嫌だったし、煉瓦造の建物も黒ずんでいてさらに陰鬱さが増して、写真で見るトラディショナルな印象とは反対に実際は寂れていて薄暗い印象だった。
それが帰国してからは、何故か恋しくなるようになった。特別な経験の記憶より、そこで過ごした頃の気候とか、空気とか、匂いとか、五感の記憶が強く残っていて、それを感じる為にまた行きたいって思うようになった。今はそれができないから本や映画を通してイギリスに触れて、自分の記憶と結びつける事でその気持ちを補ってる。
イギリスに行ったところであの頃に戻れる訳ではないけど、イギリスを五感で感じる事で、あの頃の五感の記憶が蘇って、懐かしい気持ちになる。だから特別な場所なんだと思う。
そう思うと、経験も大切だけど、同じくらい五感でしっかり楽しむ、感じる事も大切なんだなと思う。懐かしい気持ちになるって思ってるより尊い事なのかもしれない。
私の人生の中で、そんな場所に出会えて良かったな。